おまえは違う ただの乗客だろ。(13日目/マウント・クック)

プカキ湖のほとりからマウント・クックの写真を撮った後、バスに戻る。

マウント・クック村まであとちょっと。再びバスが走り出す。

バスガイド
このマウント・クックに登ろうとして、200人以上の人が亡くなりました。

高さは富士山より数十メートルだけ低いらしいが、富士山のように一般人が登る山じゃないみたいだ。


バスガイド
はい、マウント・クック村にもうすぐ到着します。
ユースホステルで降車するお客様がいますが、みなさまは降りないでください。

了解した。


マウント・クック村に到着し、ユースホステルの予約があるサラは、ここで降車する。


そしてバスは、ぐるっと村を回って走った後、村で一番高いホテルの前で停車した。

バスガイド
このホテルのレストランで食事になります。
日本人のみなさまは、バスから降りたら私の周りに集まってください。

了解した。

たぬ
・・・。

俺は日本人なので、バスから降りて、バスガイドの近くに集まった。

そしてレストランに入っていくが・・・ちょっと待て!

俺はバスガイドの案内に、ついて行っちゃダメだろ!
レストランでの食事は、ツアー客のメニューで、俺にはみじんも関係ない。

たぬ
気付よ、早く。

観光案内もツアー内容の案内もごちゃ混ぜで案内していたから、すっかり勘違いした。
というか・・・バスガイドさん、1人へんなのが混じってるのを忘れてないか?

もちろん、もともとただで案内を聞かせてもらっていたし、俺がいけない。


バスに戻って、荷物を受けとろうとすると・・・

あれ!?バスいない!

たしか、このホテルに宿泊するツアー客の荷物は、それぞれの部屋へ運ばれると言っていた。
どこかで荷下ろししているのか?
嫌な予感がする。

まあ、バスガイドとツアー客が食事の終わったら、荷物の行方を尋ねてみよう。
それよりせっかく荷物がなくて軽いんだし、今のうちに宿を探しに行こう。

中央奥がマウント・クック

ホテルの前からマウント・クックが見える。一番奥の山。
ちょっとかかった雲が、なかなかどいてくれない。
後でゆっくり観賞しよう。


さて、まずは最安のユースホステル「マウント・クック・YHA」に行ってみる。

が、見事に満室だ。明日も満室。

観光旅行には計画性が必要と実感した。


こうなれば仕方ない。朝電話した144ドルのロッジに泊まるしかない。

ガラス張りの2階テラス、眺め良さそう。

まだできて新しいという、「アラキオ/マウント・クック・アルパイン・ロッジ」。

泣く泣くシャワー付きの4人部屋に、1人で泊まることにした。


宿は確保できたので、ホテルのレストランに戻る。

そして、ホテルのロビーでバスガイドを発見した。

バスガイド
あっ、お客さん!荷物、ホテルに下ろしちゃいました!今探しているので・・・

やっぱり。


20分ほどで荷物は手元に戻り、一件落着。

  • 一言 いろいろご迷惑おかけしました。