文無しの定め 雪降る山小屋までの道のり。(14日目/マウント・クック)

「レッド・ターンズ・トラック」を歩き終えたところで、今日はもう宿に戻って休むことにした。

宿代の高い、4つのベッドがある部屋で寝る。・・・こんなにベッドはいらないよ。
安い相部屋は満室だから仕方ない。


翌朝、ポタポタ雨の音で目が覚めた。

窓の外を見るとよく降っている。
流石、3日に2日は雨の場所。昨日は本当に運が良かったんだ。

今日はこの雨の中、山小屋に泊まりに行こうと思う。なぜなら俺は文無しだから。
何日も144ドルの宿に泊まれるほど裕福ではない。まだまだニュージーランドには滞在するし。

山小屋に泊まるには、事前にハット・パス(山小屋宿泊許可書)を買う必要がある。
けっこう山の高いところにあるミューラー小屋のパスを、ビレッジセンターで買おうとしたが、それは無理だった。

どうも昨夜、山に雪が降ったらしく、しっかりした装備がないと行っちゃダメとのことだ。

ならば仕方ないと、泊まる小屋を変える。
といっても選択肢はあと1つしかない。ボール・シェルター小屋に泊まるということ。

ボール・シェルター小屋は、山脈の間に位置し、そこまで標高は高くない。
ただ、たどり着くまでの道のりが、無駄に長い。

マウント・クック村地図

  • ボール・シェルター・ハット・トラック

まずこのコースの入り口に到達する必要がある。村から入り口までは10kmある。

村の東の国道を出て、2つ目の分かれ道を左に入り、ひたすらまっすぐ歩いていく。

何もない長い道

間違いなく車を持っている人が行くべきだと思う。

天候が悪くて、景色を楽しむことはできないこんな日は、歩くと長く感じる。

平坦な道が続く

2時間半ほどで「ボール・シェルター・ハット・トラック」の入り口に到着。
案内板を見ると、小屋まで3時間かかるらしい。

なお、写真は後日撮ったものなので雨が降ってないが、実際の状況は以下の通り。

端を通って進む

道が・・・水たまりで埋まっている。

しかも雨が、みぞれっぽくなってきた。


しばらく進むと・・・

まずい・・・雪だ。

雪になってるし!

平坦な道をずっと歩いているから、標高はそんなに高くなってないのになぁ。

積もった・・・。

おいおい、どんどん積もってきたぞ。

途中、何か看板があるが、雪がくっついて見えない。
ちょっと足場が不安定そうで危ないが、看板の雪を払って見てみる。

「No stop area」・・・ここで止まるな。

そんな内容の看板だった。足場が崩れやすいからだろう。

なんて罠だ。
注意を促す看板が、逆に危険に導いてる。

あわてて道に戻り、先を急ぐ。

見えん。

視界がすごく悪くなってきた。

右側、なんだろう・・・。背の低い山脈が連なってるのかな?
よく見えない。

もはや、登山を楽しむとかいうレベルではない。

  • 一言 これはもう修行でしかない。